2011年1月31日月曜日

問題10 集団とどう付き合うか

集団とどう付き合うか。
「集団」といってもいろいろとありますが、
今回は、勉強会のようなものを取り上げたいです。
勉強会・・・、これもいろいろありますが、
ゼミなんかもその一つでしょう。

勉強会では、特定のテーマや方向性を持った人々が集まって、
報告をしたり、討論をしたりします。
勉強会には、メリットもデメリットもあるでしょう。
また、個があってこそ成り立つものであったりもするでしょう。
勉強会とどう付き合えば、充実した成果が得られるでしょうか?

そこで、皆さんが考える勉強会のメリットとデメリット、
そして具体的な勉強会との付き合い方における成功談や失敗談があれば教えてください。

私は、大学内のゼミに所属しています。
ゼミでは様々なタイプの人と共存していますが、
モチベーションや目的意識の差によっては、
「ゼミ」という形がうまく機能しないことがあると感じていました。
そこで、どのようにゼミと付き合えばより充実した時間を過ごせるのか、
こんなことを考えるに至ったのです。

4 件のコメント:

  1. 勉強会の成功は、自分の頭が良くなったことです。つまるところ「勉強会」というのは勉強をするための枠組みです。
    枠の決まりは、ある場所とある時間で、自分の考えを他人に伝えること。そして議論をする。その過程を経て「自分の考え」から、相手と自分とが扱える「問題」に成長させること…こういう一連ができるよう作られているのが勉強会と捉えています。

    昨年、それを存分にやってきましたので、だいぶ、頭が良くなったなと思います。
    しかし、なんで「自分」だけから「他人」にも問題を共有することが大事なんでしょうかね。その理由はいろいろあると思います。ひとつには文殊の知恵的に、何人かで解決にあたったほうが、より優れた結果を得られるのでしょう。
    そしてもうひとつに、問題というのは、自分ひとりだけで済まないのではないでしょうか。
    世の中で営む以上、純粋に自分ひとりだけの問題というのはあるのでしょうか。どこにいても「相手とどうしていくか」が、問題の根源のひとつと思っています。
    その意味で、相手と問題を共有することは、必要なことと言えます。決まった答えがない以上は、相手といい関係を築くしかなさそうだし。

    失敗談は、参加者が多いと「問題を共有する」という報酬が得られにくいこと。話は拡散しやすいし、密度もなくなることが多いので、面白くない。
    あと…どんな人がいるのかも言及したい。
    その基準はまったく私見ですが、自分の考え・関心を具体的に相手へ伝えようとしない人は、面白かった試しがない。
    そもそもが、相手と話すって難しいから、せめて前提に相手が存在しないと、何も成り立たない。

    それらを踏まえて、勉強会とは各々がイイトコどりをする必要がありますね。誰か一人が報酬を受けるってのは考えにくいですね。

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  2. 勉強会を始めてよかったことは、伝えることの訓練ができることです。

    発表というしばりでは、自分の関心や問題を言葉にしなくてはなりません。でも、相手に伝えること、蓮沼くんの言葉を借りれば「問題を共有する」ことが、どんなに難しいことか!わたし自身はそれがまだ上手く出来ていないと思います。それで議論がすすまないこともありますが、「相手」に伝わらないことで、問題は別のところに本質があるのではないか、といちど戻ってくることは、自分にとっては大事な訓練になっています。やりなおすことと、ある程度やりなおしを受け入れてもらうことは、勉強会だからこそのメリットであるように思います。

    デメリットはいまのところないけれど、ときどき違う思想や分野の人と議論をかわしてみるのはいいと思います。(まったく違う相手でいいのだけど、大事なのは同じぐらいのモチベーションがあること。)

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  3. 1. 一般論

     今回の問題は先日の蓮沼くんの問題とつながりますね。つまり、形式が先に立つものはどうもうまくいかないようです。大学のゼミは「3年になったらゼミに入るものらしい」という形式が先行するからだめです。あるいはわたしは文学部で「読書会」に憧れてやりましたが、「読書会をやりたい」というのは蓮沼くん言うところの「作品をつくりたい」と同じで、充実しませんし、続きません。

     先行すべきは形式=枠ではなく、具体的な動きです。要するに集団の構成員一人一人に「野心」がなければならない。オモテ向きは「勉強会、いいかもね。楽しくやりたいね」などと言いつつ、腹の中では「この機会を利用してアレをやろう。そしてそれによってオレが一番利益を得てやろう」と思っているくらいがいいでしょう。

     しかしまったく「野心」のない人はそもそも集団をつくるはずがないので、要はそのバランスが重要なのかもしれません。一握りの飛び抜けた「野心」を持った人間がいても、あるいは一握りの極端に「野心」の少ない人間がいても、その集団には変化が生じる。「野心」のバランス次第で、ヒエラルキーが構成されたり、あるいはエネルギーが拡散して全体の温度が下がっていくのではないでしょうか。

     したがって、互いに「野心」を競い合い、互いの「野心」を高め合うような集団がよい集団かもしれません。なにより重要なことは、それなら集団にとって特定のテーマも共通の関心も必要ない、ということです。個別のテーマや関心で集団をつくるのは今や限界です。細かくなりすぎてつまらないし、内向きになりすぎる。どうすれば特定の内容でも単純な枠組みでもない集団をつくれるかを考えることが重要で、「野心=利己心のコミュニティ」は一つの可能性だと思います。


    2. 「くそ勉強会」

     具体的事例としての「くそ勉強会」のメリットについては、蓮沼くんやゴーダが書いてくれたことと同じようなことをわたしも感じているので省略します。

     勉強会のデメリットとしては、一般的に、集団ができると、その内部で「自分たちは面白い/正しい/意義あることをしている」と誤解する可能性が高まることです。現実的には面白くも正しくもないし意義もないので(利益はある)、内向きに互いを慰め合ったら終わりです(それを無意識でやったらもっと終わり)。このブログもそれを警戒しましょう。「ぼくたちがやってる勉強会、いいよね」だけではあまり役に立たないので回避して、太田くんの立てた問いに答えつつ、太田くんがつくってくれた機会を利用して勉強会をもう一歩先に進めるのが役立つ態度だと思います(といっても、蓮沼くんやゴーダが事前に書いてなかったらメリットについても書いたはずで、二人を非難しているわけではないよ)。


    3. そこで

     わたしは今後の「くそ勉強会」に以下の3つのポイントをつくりたいと思いますが、これは集団一般にとって重要なことだと思うので、「集団とどう付き合うか」に対するわたしの回答でもあります。

    1)場を開く。ゲストを招いたり、「公開」の部分を増やす。これには二つのメリットがあります。一つは新しい刺激を得られること。もう一つは外部からの批判的視点を維持できること、場の緊張感を保てること。

    2)共同プロジェクト。昨年7月の長野のプロジェクトとここ2ヶ月の『チリの地震』プロジェクトは楽しかったしいろいろとためになりました。「くそ勉強会」は基本的に別々のことをしている諸個人の寄せ集めですが、今後も時々共通の目標をもったり一つの作品制作に携わることがあるといいと思います。

    3)個人プロジェクトの報告。集団の構成員が諸個人であり続けること、個人としての「野心」を維持・発展させ続けることが最も重要です。これまでは全員共通カリキュラムの英語+個々人の発表という構成でしたが、語学も報告形式にして個々人で進めていいと思う。

    要するに、「野心のコミュニティ」をつくるが空気の通りが悪くならないよう気をつける、普段は好き勝手に別々のことをしているが時々「祭」をひらく、ということです。

     大学のゼミは、知識や興味の範囲が似ている(=互いから受ける刺激が少ない)のにモチベーションに差がある(=集団としてテンションが高まりづらい)ということで、難しいときがありますね。わたしはまわりを気にせず好きなようにやっていましたが、自分にとって刺激のある集団で活動している方がやはり得るところは大きいと思いました。なので太田くんも集団を選択するしかないのではないでしょうか。

     長くなりました!

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  4. >今回の問題は先日の蓮沼くんの問題とつながりますね。
    >つまり、形式が先に立つものはどうもうまくいかないようです。
    たしかに・・・それは感じられますね。

     今回は、あえて「集団」とか「勉強会」とか「ゼミ」とかを並べてみたのですが、「くそ勉強会」についてのコメントがやはり多かったので、「くそ勉強会」について考えてみたいと思います。
     林さんが挙げてくださった今後の「くそ勉強会」の3つのポイントはどれも同感です(と、私が言うのもなんだか違和感がありますが)。共同プロジェクトは、定期的な勉強会の中に新鮮なリズムが生まれるんだなぁと感じていました。個人プロジェクトも「野心」の見せ所ですよね。
     「くそ勉強会」は2年目に突入したわけですが、1年目で築いた基礎をベースに進化していって欲しいなと思います。そして、公開したものや、共同プロジェクト、個人プロジェクトが、2年目が終わったときに記録や形として残っていればいいなと思うのです。

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