医学と芸術展:生命(いのち)と愛の未来を探る
2009年11月28日(土)〜2010年2月28日(日)
人間の身体は我々にとって、もっとも身近でまたもっとも未知の世界です。
人間は太古の時代からその身体のメカニズムを探求し、
死を克服するためのさまざまな医療技術を開発してきました。
また一方で、みずからの姿を、理想の美を表現する場の一つと位置づけ、
美しい身体を描くことを続けてきました。
より正確な人間表現のために自ら解剖を行った
レオナルド・ダ・ヴィンチは
科学と芸術の統合を体現する業績を残した
象徴的なクリエーターと言えます。
本展は、「科学(医学)と芸術が出会う場所としての身体」をテーマに、
医学・薬学の研究に対し世界最大の助成を行っている
ウエルカム財団(英国)の協力を得て、
そのコレクションから借用する約150点の貴重な医学資料や美術作品に
約30 点の現代美術や日本の古美術作品を加えて、
医学と芸術、科学と美を総合的なヴィジョンの中で捉え、
人間の生と死の意味をもう一度問い直そうというユニークな試みです。
また、英国ロイヤルコレクション(エリザベス女王陛下所蔵)の
ダ・ヴィンチ作解剖図3点も公開します。
第一部 身体の発見
人間がどのように身体のメカニズムと
その内部に広がる世界を発見してきたのか、
その科学的探究の軌跡と成果を
多数の歴史的遺物によってたどり、紹介します。
第二部 病と死との戦い
人間が老いや病、そして死をどのようなものと捉え、
またそれに対して、いかに抗ってきたのかを紹介します。
医学、薬学、生命科学の発展の歴史だけでなく、
老いや病、生と死についての様々なイメージが登場します。
第三部 永遠の生と愛に向かって
最先端のバイオテクノロジーやサイバネティクス、
そして脳科学などに基づき、
人間はなぜ生と死の反復である生殖を続けるのか、
人間の生きる目的や未来を読み解くことは可能なのか、
そして生命とは何であるのかを、
医学資料やアート作品を通して考察します。
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