2011年2月14日月曜日

問題14 肩書きをどうするか

名刺等、自分を紹介するときに必ずといっていいほど付きまとう「肩書き」。
自分のことを他所で誰かが紹介してくれるときにも必要になってきます。
またネットワーク上で、自分をどう名乗るかは重要なポイントだと考えられます。
(一方で、肩書きなんて必要ないという意見もあるかと思います。)

そこで今回は、肩書きを考えてみたいと思います。今まで使ってきた肩書きを見直してみませんか?
まず、現在の肩書きを教えてください。そして肩書きを通して得た経験があれば教えてください。
そこから自己を紹介することについて発展させていき、新たな肩書きが必要となれば考えていく場にしたいと思います。

私は、学生ですが、「編集者」という肩書きを使っていました。
が、最近、新たな肩書きを自身に装着しました。それは、private press planner です。
では皆さん、よろしくお願いします。

8 件のコメント:

  1.  private press plannerはいいなあ。上手だなあ。

     わたしはまだ中途半端なことを複数やっているだけなので肩書きというようなものを持ってません。ひとがわたしを誰か第三者に紹介してくれるときに「肩書き」をつけられずに困っているのを何度か見てきました。

     ちなみにプロフィールとか肩書きに学歴を書いたことは一度もないです。学生と名乗ったこともないです。理由は単純で、わたしが相手に伝えたいことと関係ないからです。

     今のプロフィールは以下のようにしています。

    82年生。ドイツ語翻訳者、ドイツ語教師。研究者。ジャーナリスト見習。翻訳作品にクライスト『チリの地震』、イェリネク『雲。家。』など。クライストに関する博論執筆中。既婚。猫2匹。4月に子供が生まれます。 ttkhys@gmail.com

    まあ「ドイツ語で色々してるひと」くらいに見えればそれでいいかなと思っているのですが…。実際、一つの肩書きに値するような活動はできていないので。

     しかし太田くんの問題提起にはとても同意する部分があります。個人的には、問題は肩書きというよりも、自分という人間の「全体像」をどう構成して提示するかではないか。アップルの製品のようにパッケージの一貫性、統一性を(少なくとも一旦は)相手に与えることのメリットがある。つまり、「あなたは何をしている人ですか?」「あなたの専門はなんですか?」「あなたは一体誰ですか?」を質問し合い、答え合うって、現実的に必要な場面が多いだけでなく、なんというか、単純にいいと思うんです。たぶん「アイデンティティ」(嫌いな言葉だけど)というようなこととも関連するのでしょう。

     今後ネット上でもさらにいろいろやっていきたいし、フェイスブックも始めたので、今回の問題はとてもいい機会になりそうです。発展させていきましょう。

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  2. >自分という人間の「全体像」をどう構成して提示するか
    まさにその通りだと思います。
    そこで、まだ肩書きに値するような活動ができていない段階で、あえて肩書きを先に作ってしまうということもありだなと考えました。肩書きを作ってしまい、そこを起点に活動を発展させていく。真の肩書きを得るために、仮の肩書きを先に作ってしまう。一見、順序が逆に見えますが、一つの戦略として試してみたいです。(Private Press Plannerはその第一歩目としての挑戦です。)

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  3. しかし、林さん、4月に子供が生まれたらプロフィールが変わりますね!

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  4. 肩書きはへとへとになる。
    本当にひとつに言い表せるのがなくて…最近は包括的な意味合いを持つ「美術家」と名乗っている。この次は「画家」にしてみよう。そういえば数年前までは名刺に肩書きなしの「名前だけ」でした。

    肩書きにまつわる話をひとつ。

    10年前、美術家の川俣正さんのアシスタントとして韓国は釜山を訪れたとき、10代の地元青年に会いました。彼は自分のことをアーティストと名乗ったのです。彼と僕は同い年で、同じように美術大学に行っていて、同じく釜山のアートイベントのスタッフでした。私は迷いながら美術活動をしていると説明する…かたや釜山の青年は「I'm ARTIST」と断言していた。

    なんで私は迷うんだろう、と自分の覚悟の無さを思い知りました。
    肩書きはあるんだったらある。ないんだったらない。曖昧はいかんと思いましたね。相手にとって意味が無いからね。態度はそうそうに決めないとと思って、10年が経ってしまった…

    蓮沼 昌宏 
    画家。美術解剖学研究室で博士号取得。
    1981年生まれ。東京生まれ、千葉育ち。
    主な活動に自画像研究「斜面の自画像」、鳩とのフィールドワーク、アートプロジェクトの記録撮影、くそ勉強会、などがある。

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  5. わたしも、肩書きをつけたことがありません。
    いままで(いまもですが)仕事上で所属している機関があり、個人で活動していなかったため、仕事上必要なときは所属機関の名刺を使っていました。肩書きで「名刺」を思い浮かべること自体、古いのかもしれませんが・・・個人で活動している人でも名刺をもつひとは多いですよね。(みなさんは名刺についてどう考えているのでしょうか?)
    名刺もすぐ連絡が必要な人はいいのですが、よほど強烈な印象がないと忘れていってしまいます。その点で、今まであまり使ってなかったけど、フェイスブックがすごいひとつには、一度会っただけの人でも、忘れることなくその人がどんな人かだんだんわかってくるところなのかなと今思いました。(海外の友だちなんて特に。)距離感というのは不思議です。

    自分を紹介するプロフィールはこんな感じです。無理して多少誇張しています。
    「映画フィルム技術者。フィルム・アーキヴィスト見習。専門は小型映画。ほか映像制作・初期映画装置の制作など」

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  6.  いろいろ考えると、問題は、1)肩書きがほしいか、2)肩書きはどれほど大事か、ということだと思う。

     太田くんの「まだ肩書きに値するような活動ができていない段階で、あえて肩書きを先に作ってしまう」「肩書きを作ってしまい、そこを起点に活動を発展させていく。真の肩書きを得るために、仮の肩書きを先に作ってしまう」というのはたしかにありだと思います。ただ、一つの肩書きがほしいかというと、わたしはそんなにほしくない。これが1に対する回答だけど、これは純粋に個人的、感情的なものです。

     より重要なのは、「肩書きはどれほど大事か」という第二の問いです。そこで、そもそもどういう場合に肩書きは有効性を発揮するのか? 当たり前ですが、肩書きで相手がわかる(わかった気になる)or自分をわかってもらえるときです。逆に言えば、肩書き以外にはその人物がどのような人でこれまで何をやってきたのかほとんどわからないし調べることもできないときほど、ひとの印象は肩書きに左右されるでしょう。「東大教授」なら信用できるとか「国立フィルムセンター職員」はなんとなく哀しいとかね。

     しかしながら、今や肩書き以外のこと、つまりその人の経歴や実績を調べるコストはびっくりするほど下がりました。何を言っているのかというと、インターネット上に残っている様々な情報のことです。

     肩書きは「東大教授」だけど、ググっても単著は一冊も出してないからおそらく地位に安住してぬくぬくと暮らしている無能な老人だなとか、すぐ調べられるし、推測できるわけです。だから、「肩書きを先に作ってしまう」のはありなんだけれども、場合によっては調べられた上で「なんだ肩書きだけで何の実績もないホラ吹きか」と思われるリスクもあると思います。

     したがって、わたしとしては、「肩書き」で自分の全体像を伝えることの有効性が消え去るとは思わないけれども、ウェブ上の様々な場所に残してきた「ログ」によって構成される自分の全体像が今どのようなものになっているか、それを今後どうしたいか考えることが現在では大切だと思います。「ログによる全体像」。蓮沼くんが以前言及した「編集=人格づくり」です。このブログも、ツイッターも、フェイスブックも、すべてがわたしたちの肩書きを補完するし、場合によっては肩書き以上に重視されるでしょう。肩書きの発明だけでなく、ログの編集を楽しみたいと思います。

     誤解のないように確認しておくと、わたしは肩書きかログかの二者択一でログだけでいいと言ってるわけではなく、両方大事なことを認めた上で、特に今後は自分の「ログによる全体像」の重要性に気を遣った方がいいだろうと考えているということです。

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  7. こんな資料もありました。肩書きとは関係ない文脈ではありますが。

    <ソーシャルメディアサミット2011「日本のソーシャルメディアの未来はどうなるのか」>

    「匿名と実名で担保されるという話ではない。その人がインターネットでどういう活動をしてきたか、蓄積で担保される」

    http://netafull.net/report/037049.html

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  8. ログの編集に関していうと、ログを探させるきっかけとしての肩書きも存在するだろうと考えました。肩書きであまりにも興味を持ってもらえなかったり、あるいは完結してしまったりするとログと出会ってくれるチャンスが減るのです。逆に、ログから辿っていって行き着いた肩書きがあまりにしょぼくてもがっかりするかな・・・なんて考えます。
    肩書きとログの関係に何かを潜ませて楽しませるというようなことも出来るかもしれませんね!

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