2009年12月31日木曜日

本:負けない技術

先日の話し合いで紹介した『負けない技術』について、改めてメモを残しておきます。

著者は桜井章一氏。彼は裏麻雀といわれる「代打ち」で20年間闘ってきた人である。代打ちの勝負に敗れるとどうなるのか知らないが、きっと素人は知らない方が良いのだろう。濃密な経験の中で培った「技術」について本書で紹介されている。その中から幾つか取りだして、自分勝手にまとめてみました。
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 「負けない」ことは生物にとって生き延びる本能であるといえるが、「勝つ」ことは相手を倒す欲であって、その欲に落とし穴があるのではないか?
 「負けない」ことと「勝つ」ことは異なる。

 まずビキナーズラックとは初心者だけが得られる幸運ではない。初心者の挑む姿勢にこそ秘密がある。成功を収める初心者の多くは直感で動いている。それは玄人が自らの豊富な経験値を活かして勝とうとする態度と反対である。玄人は経験や考えに囚われて、問題を難しくすることになる。そうではなく、全身全霊で対象に挑むという「シンプルさ」が大事であろう。初心であれ。

 次に不得意科目へ手を出せ。得意科目だけを伸ばすのは不自然であろう。なぜなら生物の生存には様々な能力が必要だ。図工だけが出来ても、それでは偏っている。数学、国語、英語、歴史、道徳、保健、体育を取り組む上で、図工があるべきだ。得意科目しか学ばないのは「専門家」の誕生になる。

 そして専門家は物事を分化し難しくさせる。結果、専門家にしか伝わらない内容に偏向してしまう。しかも専門家は得意なことでしか勝負をしなくなる。やがて勝つことが目的になる。しかし勝負とは全能力をフル動員するような緊迫した時間である。そのような時間を過ごすのであれば、シンプルに全身全霊で挑むべきではないか。そのためには一つに囚われず、様々な領域から取りかかる「万能家」を目指せ。偉大な仕事をした人は分野に囚われていない。

 一つのことしかやらない専門家は問題を難しくさせ、シンプルさを遠ざける。自然で生きることとは、一つのことさえやればいいという訳ではない。全身全霊で取りかかるには、いろいろやらないといけない。著者は勝負の目的とは「充実」であると述べている。相手を叩きのめすことではなく、相手と自分が全能力を傾けて過ごすのであれば、充実さを目的としても良いのではないか。そして、良く充実できるのであれば、その勝負は負けない。
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桜井章一『負けない技術―20年間無敗、伝説の雀鬼の「逆境突破力」』

2009年12月29日火曜日

映画監督に著作権はない





上映:アメリカ時代のフリッツ・ラング
    2010年1月28日(木)〜2月6日(土)(日曜・月曜休館/8日間)
    @アテネ・フランセ文化センター

ラング自身による回想
「私はゲッベルスのもとに召喚されたが、・・・非常に驚いたことに、そこで私は第3帝国のプロパガンダ省の大臣がドイツ映画の指導権を私に与えるようヒットラーに言いつけられていたことを知ったのである。『総統はあなたの『メトロポリス』をご覧になってこう言われた。「これこそ国家社会主義映画を作りだした男だ」と』。まさにその晩、私はドイツを後にしたのである。」(「映画をつくった100日」フィルムアート社より)

その後アメリカに渡って撮った映画が上映されます。


※写真は『メトロポリス』(1926)撮影中のフリッツ・ラング

イベント:シンポ100123観光経営

「イノベーションを担う観光地人材をどう育てるか」

2010年1月23日(土)15:30~19:00(15:00開場)
立教大学 池袋キャンパス 7号館7101教室

国内観光地が低迷する中、観光事業による地域活性化を導くには
従来の施設競争型経営のスキルに特化した人材ではなく、
地域の視点から組織的に観光地を革新 する観光地経営のスキルを持つ
「観光地経営専門家」の育成が必要であります。

こうした認識のもと立教大学は長野大学(長野県上田市)、
(株)ラック計画研 究所とコンソーシアムを組み、
平成20年と21年の2年間、経済産業省から
「観光地を革新する観光地経営専門家育成プログラム」事業
の委託を受けて本年6 月から11月までの週末9回を使った実証授業と、
12月5日に長野大学での一日授業を行って参りました。
このシンポジウムはこうした2年間の取り組みを総括し、
合わせて将来の方向性について検討するものです。

イベント:防衛大学校ツアー


防大ツアー(見学会)のご案内

【実施日】
原則として、祝祭日を除く毎週月曜日(午後)・
水曜日(午前と午後)・金曜日(午後)に実施いたします。

【受付・見学時間及び見学コース】
区分 受付時間   見学時間
午前 0940〜0950 0950〜1120
本部庁舎玄関・資料館・記念講堂・学生舎・
学生会館(防大グッズが購入できます)など

午後 1210〜1220 1220〜1350
上記のコースに加え「学生の行進」風景をご覧になれます。(実施日のみ)

【お申し込み方法】
事前に電話にて見学希望日の予約状況を確認し事前予約をした後、  
・団体(10名以上)のお客様は、見学希望日の2週間前までに、  
・個人(9名以下)のお客様は、見学希望日の土日祝祭日を除く
3日前までに、下記の「見学申請書のダウンロード」から、
見学申請書と名簿用紙を印刷し、
必要事項を記入の上、FAXまたは郵送で提出して下さい。

【注意事項】
※当日、受付(正門)で本人確認を行いますので、
各自運転免許証、学生証、健康保険証のいずれかを持参して下さい。
※屋外を徒歩で移動しながらの見学となりますので、
歩きやすい服装でお越し下さい。
※ツアーへ途中から参加することや、
途中でお帰りになることはできません。
※雨天時は、雨具が必要になりますので準備をお願いいたします。
※お荷物を保管するロッカー等はございませんのでご承知おき下さい。
※お車でお越しになる場合は、駐車台数に限りがありますので
事前にお問い合わせ下さい。
※都合によりツアーが中止になることがありますのでご承知おき下さい。

防大ツアーのお申し込み・お問い合わせ先
防衛大学校 総務課広報 ツアー係
〒239-8686神奈川県 横須賀市 走水1-10-20
TEL 046-841-3810(内線 2019)

メモ:プラクティカル

茂木健一郎 クオリア日記
2009/12/29

プラクティカルなアドヴァイス

ここのところ何をしている
時間が一番楽しいかといえば、
「勉強」ということになろうか。

際限がない。昨日移動しながら
読んでいたのはOrigin of Species
とThe Greatest show on earth。

夜からはLeo TolstoyのThe Gospel in Briefを
読み始めた。

これは、Wittgensteinが読んで、
感激し、とにかく周囲の人に
勧めて回ったので、一時期「福音書の男」
と言われたといういわくつきの本である。

塩谷賢のお師匠さんだった
廣松渉さんには、一度だけ
お目にかかったことがある。

その御著書の、きわめて難解な
印象とは異なり、
まるで春風のようにさわやかな人だった。

その廣松さんが、塩谷に、
「勉強というのは、一日三千頁読まないと
ダメだ」
と言ったそうである。

それを聞いて、ぼくは「うへー」と驚いたが、
本当に学問をやろうとしたら、
そんなものなのかもしれない。

たとえば、Immanuel Kant本人の著作を
読むだけでも、大変である。

その上、Kantについていろいろな
人がいろいろなことを言う。
さまざまな研究書がある。

Kantをある程度わかったとしても、
Hegelだ、Schaupenhaur だ、Nietszcheだ、
なんだと言っていたら、
読むべき本が増える。

西洋哲学をある程度押さえたとしても、
廣松さんのように相対性理論や量子力学にも
興味を持っていたり、
あるいは数学基礎論、言語哲学、
心の哲学、あるいは東洋思想、
文学、音楽、絵画史、
政治史、などなどと考えていったら、
この世の森羅万象を理解するのに
いったいどれくらいの本を読まなければならないか。

これは、しかも、基礎をつけるに必要な
最小限というだけであって、
その上に独自の体系を展開するしたら、
実に気が遠くなるじゃないか、諸君!

塩谷が、18歳の春から延々と
変わらずに分厚い本を何冊も
一澤帆布の中に入れて持ち歩き、
付箋をして、線を引きながら読んでいるのは、
実に師である廣松渉氏の教えを守っていると
言えよう。

そうして、学問というものは、
基本的に「無償」のものだと思う。

いくら勉強したからと言って、
別に誰も褒めてくれるわけでもないし、
社会が認めてくれるわけでもない。

たとえ、賞賛されることが
あったとしても、それは「ボーナス」
のようなもの。

塩谷賢を見たまえ。あれだけ学識を
ため込んでいながら、大きくなったのは
ペタンペタンとたたくと
お餅のようで気持ちがいいお腹だけだよ。

現代において一つ良いことは、
インターネットに接続できさえすれば、
誰でも、無限の学びを続ける
状況が整ったこと。

その時に何よりも必要なのは
「語学」であろう。

「語学をやりたまえ」というのが、
おそらくは、現代の学問における
もっともプラクティカルなアドヴァイスでは
ないか。

「語学」の中には、数学が含まれる。

2009年12月27日日曜日

展覧会:医学と芸術展

医学と芸術展:生命(いのち)と愛の未来を探る
2009年11月28日(土)〜2010年2月28日(日)

人間の身体は我々にとって、もっとも身近でまたもっとも未知の世界です。
人間は太古の時代からその身体のメカニズムを探求し、
死を克服するためのさまざまな医療技術を開発してきました。
また一方で、みずからの姿を、理想の美を表現する場の一つと位置づけ、
美しい身体を描くことを続けてきました。
より正確な人間表現のために自ら解剖を行った
レオナルド・ダ・ヴィンチは
科学と芸術の統合を体現する業績を残した
象徴的なクリエーターと言えます。
本展は、「科学(医学)と芸術が出会う場所としての身体」をテーマに、
医学・薬学の研究に対し世界最大の助成を行っている
ウエルカム財団(英国)の協力を得て、
そのコレクションから借用する約150点の貴重な医学資料や美術作品に
約30 点の現代美術や日本の古美術作品を加えて、
医学と芸術、科学と美を総合的なヴィジョンの中で捉え、
人間の生と死の意味をもう一度問い直そうというユニークな試みです。
また、英国ロイヤルコレクション(エリザベス女王陛下所蔵)の
ダ・ヴィンチ作解剖図3点も公開します。

第一部 身体の発見
人間がどのように身体のメカニズムと
その内部に広がる世界を発見してきたのか、
その科学的探究の軌跡と成果を
多数の歴史的遺物によってたどり、紹介します。

第二部 病と死との戦い
人間が老いや病、そして死をどのようなものと捉え、
またそれに対して、いかに抗ってきたのかを紹介します。
医学、薬学、生命科学の発展の歴史だけでなく、
老いや病、生と死についての様々なイメージが登場します。

第三部 永遠の生と愛に向かって
最先端のバイオテクノロジーやサイバネティクス、
そして脳科学などに基づき、
人間はなぜ生と死の反復である生殖を続けるのか、
人間の生きる目的や未来を読み解くことは可能なのか、
そして生命とは何であるのかを、
医学資料やアート作品を通して考察します。